WORKS

壌と家

HYOGO. 07.2023

敷地は、田んぼとして利用されており、道路とは最大1mほどの高低差が生じていた。
そこで、自然・大地を敬い、これからも共に生きていく存在として身近に感じるよう、道路レベルが床レベルとなるように地面を一部掘り起こし、基礎を形成する。
1m近く掘削することで、田んぼの軟弱地盤を貫通し、支持地盤に到達できた。また、掘り起こした土は撤去することなく、残った敷地に盛土していく。
すると、床から約1mの高さが地面となり、住人が大地と容易に触れられる関係性を作り出した。この掘り起こした床に、北側実家への採光や眺望を遮ることが無い水平に伸びる屋根を設ける。また、周囲からの視線を調整する為、外周の一部に鉄骨造を併用し、軒が深く薄い屋根をデザインした。深い軒を持つ屋根を、内部と外部に渡り配置する事で、内外の親密度を上げる。リビングやワークスペース・キッチンに大開口を設え、デスクやベンチ等を介して地面へとつなぎ、自然の恵みを享受出来る計画とした。建物中央に配置した1.5層吹抜けの土間空間を中心に、5つの軒下空間を設える。それぞれのスペースの”間”にテラスや通路を設けることで、独立性を持たせながら、土間空間・軒下空間と流動的に繋がる構成とした。
また、この住まいには玄関が無い。多様な人を受け入れ、敷地全体を積極的に利用できるように、軒下空間の4つの隙間から外部にアクセス出来る計画としている。
それにより、中央の土間空間を家族の憩いの場として利用するだけでなく、施主が作っている野菜や畜産物を利用した飲食店の客席としても活用できる可変性を備えている。

設計
建築設計事務所SAI工房 / 斉藤智士
構造設計
有限会社ワークショップ 安江 一平
施工
株式会社池正
撮影
山内 紀人
設計期間
2021年2月〜2021年9月
施工期間
2021年10月〜2023年7月
構造
木造
敷地面積
528.04㎡
建築面積
185.52㎡
延床面積
166.08㎡