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KOKAGEビル/Hiroshima 3.2022
設計 建築設計事務所SAI工房 / 斉藤智士
共同設計 ア・ティエス環境+建築設計事務所 / 鍵山 昌信
構造・設備 有限会社MasMas一級建築士事務所
施工 大和建設株式会社
撮影 山内 紀人 http://www.n-y-p.jp
設計期間 2020年9月〜2021年7月
施工期間 2021年8月〜2022年3月
構造 鉄骨
敷地面積 332.26㎡
建築面積 216.14㎡
延床面積 582.92㎡
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この建築は、呉に根付いた” 通りで交流する独自の文化” から着想し、誰もが自由に出入りできる街路空間を立体的に織り込みながら都市に奥行を生み出している。空間の自由度を高め、自然と居心地の良い場所で脚を休めることのできる「木陰のような」都市的空間の創出を目指している。 出来る限り様々な人の流れを生み出すため、建物前面には十分な「引き(外部空間)」を確保し、通りを敷地内部まで引き込む配置計画とした。さらに、内部は開放的な空間を生み出すために、4枚のスラブをスキップさせながら縦動線でつなぎ、上下に人の流れと滞留を創り出しながら屋上へと導く空間となる。最上段には格子状のスラブが浮き上がり、この立体空間を「木陰」で包み込んでいる。活動、休憩、待合い、談話など微妙な機能の違いを展開するこの4枚のスラブは、医療施設利用者だけでなく、誰もが自由に使える空間であり、その利用者が立体的に行き来したり、脚を休めたりする様は、まさに呉の街路環境を立体的に纏った建築の様相を表出する。昨今のネット環境の発達や外出自粛の強制などで拍車のかかる身体的なアクティビティの低迷に歯止めをかける環境づくりこそが、これからの「医療」が、単なる治療行為を超えて、人と関わり続ける社会に必要不可欠ではないかと考える。