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YAO. 10.2017

信貴山の麓に位置する住宅地での計画です。敷地は間口5.6m 奥行き23.7mと細長い敷地。クライアントは30代の夫婦と子供2人で、緑を身近に感じる住まいを求められました。
緑を身近に感じる住まいとは、どこからでも、緑を眺めることが出来る住まいてではなく、外部空間を住み手が積極的に利用し、緑と共に成長する住まいと考えました。例えば、木の下でお昼寝をしてみたり、葉っぱを触ってみたり、新しく仲間となる木や花を植えたりなど、緑と一緒に風や匂いを直で感じる時間を過ごすことが、都市社会の中で忘れつつある原体験と豊かな生活を生み出せるのではと考えました。
そこで、南北に建物を配置することで生まれる2つの隙間空間に庭を設けました。この細長い敷地で中庭形式を計画してしまうと、細い通路のような空間が生じてしまう為、庭に雨をしのぐ屋根設けることで、室内としても利用できる計画としました。この庭空間はドライガーデンとして住み手が自由に利用できる外でも中でもある多機能な空間として住まいの中心に配置しました。
天候や気候の変化、時間帯による用途の変化、アウトドアイベントの利用、住み手のライフスタイルの変化など多様に変化する住まいを受容する装置として機能します。
また大きな開口部とハイサイドライトを設けることで、細長い建物形状でありながら住まいに自然光をふんだんに取り込み、自然通風を積極的に取り込む計画としています。また、ダイニングとリビングの隙間にドライガーデン配置することで、日常的に利用し緑と共に生活する住まいとなります。
当計画は限られた敷地内であっても、ドライガーデンが住み手の多彩な時間の過ごし方を許容し、ひとつひとつのシーンを濃密にそして多様に紡いでいける空間となることを願っています。

設計
建築設計事務所SAI工房 / 斉藤智士
構造
有限会社ワークショップ
施工
株式会社池正
撮影
山内 紀人
設計期間
2016年10月〜2017年2月
施工期間
2017年2月〜2017年10月
構造
木造
敷地面積
132.46㎡
建築面積
67.98㎡
延床面積
114.05㎡